最後にクルーズの旅をしたのが2019年の9月でした。それから4年が経過しました。その4年というのは、身の上に困難な状況がたくさん降りかかって、暗黒の時間が流れていたような気がします。ようやく船旅ができると思ったものの、円安や燃油高が海外旅行を躊躇させます。そこで、日本発着でありながら、海外旅行の雰囲気を感じることができるMSCベリッシマの船旅をすることになりました。直前割で、予定の1か月半前に予約をし、バルコニーのお部屋で眺望不良かもしれないおまかせプランで予約をしました。予約をしたのは、クルーズ旅専門の旅行会社「クルーズプラネット」です。

クルーズ旅は寄港地をめぐる楽しさはさることながら、毎日海を眺め、空を見上げて太陽や月を拝み、雨や風、ときには嵐を経験しながら時間を刻む、地球を体感できる旅のスタイルです。移り行く景色を楽しむためのバルコニー付きキャビン確保は私にとって必須条件です。乗船したキャビンは右舷の上層階の船尾という位置。眺望不良なんて心配は皆無でした。


目次:
1.    クルーズはセレブの娯楽か?
2.    日本発着の外国籍の船
3.    日本発着・日本周遊でもパスポートが必要です
4.    日本を周遊しながら海外旅行の楽しみがある
5.    クルーズ料金に含まれるもの・含まれないもの
6.    今回のクルーズ旅で楽しんだこと~船内と寄港地観光~
7.    船の食事事情
8.    船旅で地球を旅する実感


1.    クルーズはセレブの娯楽か?

クルーズの旅をするというと、なんだかお金持ちの道楽のように誤解されることがあります。私がクルーズの旅をするときは、おおよそ一泊3食(5食でも6食でも可能)で2万円くらい、という目安で該当する予算の時期とコースを探します。その2万円の予算の中には、食費と娯楽費、宿泊費、移動費が入ります。
クルーズ料金は時期によっても、もちろん長さによっても、部屋のカテゴリーによっても変わります。飛行機でいうところのファーストクラスもあれば、気軽な内側の窓のないお部屋もあります。寄港地に降りて楽しむ人は「寝るだけ」と割り切って、窓のない内側の部屋にすると割安な予算でクルーズの旅が実現します。

私は閉所恐怖症であるのと、日の出日の入りを部屋から眺めたいとう理由でいつもバルコニーにしています。
バルコニーのお部屋は船首・中央・船尾によっても階数によっても料金が変わります。
また、3人目や4人目同室の場合に割引料金や、お子様無料の設定があるクルーズもあり、家族やグループにもハードルが低い料金設定になっていたりします。

昨今の経済事情や世界情勢を考えると今4、5日のアジア旅(安近短)をするよりは7日間の船旅の方が安全で安心で安価な旅という考えに至りました。初めてクルーズの旅に出会ったのは、私がフロリダのディズニーでキャストとして働いた時です。キャスト割引きで破格の料金で乗船できたことで、すっかりクルーズ旅行の楽しさに目覚めてしまったのです。今回の船旅は(多分)通算11回目となりました。アメリカではクルーズ旅行はごく一般的な旅のスタイルの1つだったので、日本人感覚の「贅沢な旅」という意識を改める経験ができました。

2.    日本発着の外国籍の船

今回乗船したのはMSCベリッシマです。MSCクルーズ社は2018年に初めて日本発着クルーズを開始しました。ニュースでも著名になったプリンセスクルーズのダイヤモンドプリンセスは2014年に日本発着クルーズを開始した日本航路先輩の船です。旅客定員 2,706名、乗組員 1,238名の定員で、船内には露天風呂や中浴場(大、とは言えないサイズ)があり、日本人クルーも100名ほど乗船するので、英語が話せない日本人にも気兼ねなく乗れる船です。
MSCベリッシマはスイスに本社があるMSCクルーズ社の新造船で、旅客定員 5,714名、乗組員2,250 名の巨大客船です。大きすぎて横浜ベイブリッジをくぐれないため、大黒ふ頭から乗下船することになります。19階建てのビルと同じ高さ、全長315.83メートル、17万1598総トン。東京タワーが高さ333メートルなので、ざっくり同じくらいの長さです。船首と船尾を行ったり来たりすると1日船内で過ごしていても1万歩を軽く超えます!!!
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大黒ふ頭に停泊するMSCベリッシマ。手前のビルや奥のベイブリッジとの大きさを比較すると巨大さがわかる。


日本船籍の飛鳥Ⅱやにっぽん丸が1泊当たり3-5万円からという料金設定に比べると手軽な船旅を実現できるのが、この巨大さにあるのです。



3.    日本発着・日本周遊でもパスポートが必要です

飛鳥Ⅱやにっぽん丸など日本船籍の客船とは異なり、外国籍の船ではパスポートが必要です。
残存期間が下船日より6ヶ月以上必要なので、直前予約の場合は特にパスポートの有効期限を確認が必須です。渡航先によってはVISA(ビザ)、予防接種証明書が必要な場合があります。日本発着でよく寄港する韓国や台湾では、日本人パスポート保持者はビザが不要です。

外国籍の船ということで、日本の都市だけを寄港することができず、必ず1港は日本以外の国へ入港する必要あり、そのためよく寄港するのが韓国の釜山や済州島です。ロシアの情勢が平穏だったころにはウラジオストクに寄港するクルーズもありました。

大黒ふ頭では通常の海外渡航のように、ターミナルでのパスポートチェックや出国・入国手続き、税関の手続きなども必要になり、船の中は「海外」という扱いです。

IMG_0909.jpeg 2.06 MBチェックインを終えて乗船する時、巨大な客船を見上げて圧倒されます。


4.    日本を周遊しながら海外旅行の楽しみがある

船に乗ると、クルーたちはほとんどが英語を共通語として話しています。日本発着クルーズでは旅行会社の社員が乗り込んでツアーデスクを設けたり、多めに日本人クルーを配置したりという配慮もあります。MSCベリッシマでは日本食のメニューが豊富に用意され、船内のあらゆる案内が日本語併記で安心です。日本人シェフや板前も乗船しており、ビュッフェレストランの日本食は営業時間20時間中いつも何かしら用意されていました。

MSCベリッシマはスイスに本社があるとはいえ、イタリアの船と言っても良いくらいイタリア色があり、日本人が大好きなイタリア料理が毎日楽しめます。船内で手作りのモッツァレラチーズを作っているのをガラス張りで見学もできました。

船が出向するとカジノや免税店がオープンします。ショーやアクティビティは英語が主流です。とはいえ、日本人クルーが逐次通訳をしてくれる場面が多く、娯楽で言葉の不自由を感じることはないでしょう。わたしは、忘れかけていた英語を話す良い機会と考え、積極的にクルーとの会話を楽しみました。4年も英語を使う機会がない日々でしたので、クルーとの交流でだいぶ海外旅行気分満喫です。

クルーズ中に一番お世話になるのが、キャビンを清掃してくれるハウスキーピングの担当クルーです。今回お世話になったのはインドネシア国籍の男性クルーでした。バリ島が好きな私は、あいさつ程度のインドネシア語を覚えていたので、毎朝毎夕部屋に来てくれる時にはインドネシア語であいさつを交わしました。

毎夕食について、メインダイニングではテーブル番号と食事時間、担当の給仕クルーが決まっています。ところが、今回の担当クルーが不愛想だったので1日目のディナー以降はメインダイニングに行かず、有料レストランのパッケージを頼んで毎晩別のレストランで食事をしました。ビュッフェレストランも営業しているので、毎日フルコースで2時間半の制約はつらい、というカジュアルスタイルがお好みの人や小さなお子様連れの家族にも選択肢が用意されています。
IMG_1047.jpeg 739.51 KB毎日違う景色に出会える、荷物の移動がない、などクルーズ旅の良さはたくさんあります。



5.    クルーズ料金に含まれるもの・含まれないもの

クルーズの旅が高くない、というのは食費やエンターテイメントも含んだ料金だからということが大きな理由です。毎晩シアターでは異なる演目のショーが数回開催されます。食事の時間の前後でも見ることができます。スポーツジムがありますし、甲板にはランニングとウォーキングのレーンが用意されています。また船上には数か所のジャグジーやプールがあり、無料で楽しめます。クルーズでは動き回る面積も広いので、思った以上に運動量は多いです。

飲み物は「ドリンクパッケージ」が数種類あり、アルコールやコーヒー、ソフトドリンクが含まれていて、船内に20か所あるバーで気軽に「飲み放題」が可能です。旅行会社や企業のチャータークルーズの場合はドリンクが含まれていることがあるので調べてみてください。無料のドリンクについては船会社各社で種類が異なりますが、ウォーターサーバーやお湯は船尾のビュッフェレストランでいつでも「汲める」のでご安心ください。タンブラーや水筒を持参することをお勧めします。今回、私はアルコールを含む飲み放題プランを有料で申し込みました。船を降りるまで何度でも自由に飲み物が頼めるので、重宝しました。ただし、円安の影響で割高に感じます。

フォトサービスも船にとっては大事な収入源です。プロのカメラマンがダイニングルームやパブリックエリアで待ち構えているので、記念写真をたくさん撮る機会があります。料金は船会社によって異なりますが、撮影は無料です。仕上がったプリントの写真をフォトショップで確認できるので、見てから購入するか否かを決めても大丈夫です。データで購入するプランもありました。

インターネットは衛星回線で接続できる有料のプランがあります。日本発着クルーズの場合、陸地から近いところを航行中の時は電波が届くときもあるので、現在地をキャビンのTVで確認して時折接続できます。バケーショ中「デジタルデトックス」したい人は、インターネットプランをあえて申し込まないのがおすすめです。少なくとも寄港地についたら船の中にいてもいつもの回線が使えますので、船内ではSNSもメールも忘れてくつろいでみてはいかがでしょう?

洗濯について、一週間のクルーズでは洗濯ものも多くなります。クルーズ2日目くらいにベッドに洗濯・クリーニングパッケージの案内がおいてありました。洗濯は有料です。ベリッシマにはコインランドリーがありません。初めてのクルーズ体験だったディズニークルーズにはあったので、ロイヤルカリビアンやプリンセスクルーズにコインランドリーがないことがびっくりでした。クルーズ船ではコインランドリーがあることの方が少ないと思った方が良さそうです。ディズニークルーズ以外の船会社の時は、自分で手洗いした衣類を干せる洗濯グッズを持参するようにしています。また、日中の普段着になるような水着を買って数種類荷物に入れます。水着は手洗いしやすく、しわにもならないので2種類くらい持っていくのが便利です。水着が一晩では乾かない場合もあります。バルコニーのお部屋だとしても外に干すのは禁止です。干す場所は毎回悩みどころです。タオル脱水をしてなるべく早く乾くようにして、停泊中のバルコニーに干すようにしていました。

お子様連れの家族にはキッズクラブがあります。有料だと思いますが、わたしは利用したことがないため言及を避けようと思います。
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このように、オプションで有料のものを加算していくと当然旅費がかさみます。過剰な出費を抑えるためにも何が無料で何が有料なのかを把握して、荷造りをする必要があります。日本周遊の場合は、寄港地でなんでも買い足すことができますので、荷物は必要最低限で良いと思います。

IMG_1078.jpeg 1.08 MB普段着とフォーマルの服装、船によってイベントがありドレスコードが決められています。それに参加するかしないかは人それぞれ。フォーマルの夜でも普段着の方もいらっしゃいました。ドレスコードに沿って趣向を凝らした服装をすると盛り上がるのは間違いないです。

カジュアル船と呼ばれるラインの船では、寄港地の観光はオプションです。船会社主催のツアーを予約すると観光に便利です。たとえ、天候によって寄港地が変更になっても、船主催ツアーならキャンセル料はもちろんかかりません。代替寄港地のオプショナルツアーを船内で申し込み、有意義な時間を過ごすことができます。

今回のクルーズ旅で楽しんだこと

MSCクルーズは2度目の乗船ですが、ベリッシマは2019年就航だったのでコロナ禍を挟んで初めての乗船でした。チェックイン後に乗船してすぐ、初日は船内を歩き回ってどこに何があるのかを把握することに時間と体力を費やしました。キャビンが船尾だったので、20時間営業しているビュッフェレストランにアクセスが便利でした。特に朝食は、レストランが混雑するときは食料を確保して部屋で食事をする日もありました。
IMG_1193.jpeg 4.11 MBMSCクルーズのロビーアトリウムは、共通してスワロフスキークリスタルの階段がアイコニックな存在です。フォーマルの夜はこの階段で記念撮影をする乗客で順番待ちの列がありました。
IMG_1194.jpeg 4.35 MBドリンクパッケージを申し込んだ初日から、遠慮なく飲み物を選ぶ時が楽しみでした。朝からスパークリングワインをいただいたり、暑い日中のプールサイドでスムージーを飲んだり。日本の飲料メーカーのジュースやお酒もたくさんありました。サンセットを眺めながらカクテルのグラスを傾けたり、船内散策をしていてのどが乾いたら近くのバーで好きなものを飲めたり、タンブラーを持ち歩かない分、身軽に船内移動ができました。
IMG_1198.jpeg 2.66 MBなにをするでもなく、大海原を眺めながら飲み物をいただくひとときに幸せを感じる一週間でした。IMG_1200.jpeg 1.35 MBそして、MSCベリッシマに乗船したらまっ先にやりたかったことが有料のショーの鑑賞です。
IMG_1214.jpeg 2.15 MBカルーセルラウンジという船尾にある円形劇場では、元シルクドソレイユのメンバーたちが繰り広げる幻想的なショーが2種類、上演されています。日によって公演スケジュールが異なりますので、乗船してからの予約となります。18ドル(2023/7/27時点)でシルクの演目が見られるのですから、見逃す手はありません。今まで旅行先にシルクの公演を見つけると見に行っていたほどのファンなので、絶対に見たかったショーでした。コロナ禍でシルクとのライセンス契約が切れたのか、今はそのメンバーが船のクルーとして活躍しているそうです。
IMG_1221.jpeg 1.01 MB飲み物が1杯ついてくるショーは40分ほどの気軽に見られる公演時間です。円形なのでどこから見ても見やすいです。何度か見て違う視点で楽しむというのも良いかもしれません。私は2種類のショーを1回ずつ楽しみました。1回目は後ろの席で、2回目は中央部の前よりの席で鑑賞しました。前方の席はアクロバティックなパフォーマーの息遣いが聞こえる距離で迫力がありました。
IMG_1291.jpeg 1.35 MBフォーマルのドレスコードの夜。大げさなドレスではなく、披露宴に参列するときのような衣装で良いと思います。衣装に合わせて久々にハイヒールを履きました。船は揺れるのでペタンコシューズでも良いと思います。

IMG_1338.jpeg 3.28 MBほぼ毎晩、プールデッキでは映画の上映がありました。屋外なので天気によっては中止になります。日本のアニメ映画は英語の字幕付きで上映していました。「千と千尋の神隠し」や「君の名は」を月の下で鑑賞するのも良いですね。ちなみに無料のアクティビティです。

IMG_1354.jpeg 2.43 MB済州島に寄港した日。私は下船しませんでした。以前のクルーズでオプショナルツアーに参加したことがあったので、今回はベリッシマを満喫することにしたのです。多くの乗客が下船した後の船内は閑散としていて、いつもは行列になるアトラクションがすいすい楽しめました。2種類のスライダーは興奮ものの楽しさでした。待ち時間ゼロ、が何より良かったです。また、船から眺める済州島の景色や海原も十分満喫できました。
IMG_1355.jpeg 2.04 MBプールデッキには数か所にジャグジーがあります。海に突き出たジャグジーでは、まるで天空に浮いているような錯覚です。温度が40度、いつものお風呂なら適温なのですが、炎天下の中では暑すぎてカラスの水浴びになりました。
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航行中は営業しているカジノ。ディズニークルーズ以外のほとんどの船会社がカジノを営業しています。わたしは一切かけ事をやらないので眺めるだけです。お客様がいらっしゃるときは写真撮影が禁止なので、停泊中で営業時間外のカジノを見学しました。
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1日中、船内のどこかでパーティーがあります。サイレントディスコはシュールな体験でした。参加するみんながヘッドフォンをつけて踊ります。が、周囲で見ている人には音楽が聞こえないため、映像で撮って後で見返してみると、ノリノリなのに無音、という絵図は異様な感じがしました。
IMG_1130.jpeg 1.83 MBIMG_1137.jpeg 1.39 MB船上のアトラクションは充実しています。プールに入れない小さなお子様向けの水遊びのエリア、3本の本格的なウォータースライダー、アスレチックなど体を動かし、絶叫を上げる楽しみがいっぱいです。IMG_1538.jpeg 2.34 MBIMG_1539.jpeg 3.12 MB屋外のプール以外に、天井が開閉するプールがありました。夜間や雨天、寒い季節は天井が閉まるので、冬でもプールが楽しめます。
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ベリッシマには素晴らしいスパ施設がありました。「整う」ことができるサウナが数種類もあります。今回のクルーズでは、このスパを毎日楽しめるように、乗船してすぐに有料の利用権利を申し込みました。プールサイドが混雑している日中でも、スパは人数制限があり比較的静かに大人だけの時間を過ごすことができます。ジャグジーもあるのでお風呂の代わりにもなります。広い施設内で利用者が私一人、というぜいたくな日もありました。だいたい1時間から2時半滞在してゆっくり「整う」ことができました。
スパを毎日使うには、上級クラスの「アウレア」というクラスの客室を予約すると無料で利用ができます。
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スイーツビュッフェがアトリウムロビーで開催されたときは、押し寄せる乗客の長い行列ができていました。スイーツにそれほど情熱を傾けない私は、写真だけ撮影して混とんとした混雑のエリアを離れました。
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寄港地散策    その1:福岡


下船し、再入国審査を通過してから公共のバスを利用してららぽーと福岡のガンダムを見に行きました。済州島の次の寄港地でしたので税関も通ります。日本人の手続きは優先してすぐでしたが、船を降りた外国人乗客はそのあとに並ぶことになり、時間がかかったようでした。寄港地はすぐに降りられるわけではありません。また天候によって着岸時間も左右されます。タイトなスケジュールはご法度です。
 



ガンダムを拝んだあと、宗像へ特急列車で移動。宗像駅について現地の友人と合流し、八女茶のおいしいかき氷を食べました。会えなかった時間を埋めるように弾丸トークでおしゃべりしてから、友人の車で宗像大社や宮地嶽神社へ連れて行ってもらいました。福岡から宗像へ移動する途中、ゲリラ豪雨が追いかけてきました。宗像大社へお参りにする頃には、境内が湖のように水たまりが広がり、参拝者も少なく、厳かな雰囲気でお参りができました。














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宮地嶽神社は、JALのCMで嵐がロケ地として訪れた「聖地」です。神社から海まで伸びた一本道が「光の道」として写真スポットにもなっています。

蝉時雨、ヒグラシ、七夕飾り、この時期にしか出会えない景色を拝むことができました。
日本一の大きさと言われるしめ縄が圧巻でした。ゲリラ豪雨がすっかり沖合に移動し、夏空が戻ってきました。
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社殿の奥には「奥之宮八社」と呼ばれる社が祀られています。何せ弾丸日帰り旅なので時間が足りないため、稲荷神社だけ参拝しました。
IMG_1897.jpeg 4.15 MB宮地嶽神社は数種類の魅力的な御朱印があります。どれにするか迷ってしまいます。迷った挙句、見開きで書いていただくこちらの朱印を拝受しました。フクロウがかわいいです。
IMG_1900.jpeg 2.4 MB今回は友人の案内で大急ぎで2社を参拝しました。もっとゆっくりこの辺りを回りたいと強く思った1日でした。晴れたり大雨に振られたり、コロコロと変わるお天気でしたが、おそらくこの夏一番印象に残る訪問地ではないかと思います。
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「光の道」の夕陽が観たいです!!!
年に2期間、参道と夕陽が一直線に重なり、神秘的な光景が広がるそうです。
その時期に訪れることができれば見てみたい景色です。


寄港地散策    その2:熊本・八代(やつしろ)

ベリッシマが寄港した八代は「くまモンポート」という名称です。

接岸を見届けキャビンからバルコニーに出ると、眼下にはくまモンがたくさん!!!!周囲のセメントタンクまでくまモンの絵が描いてあり、くまモンファンにはたまらない場所です。
朝から下船して熊本市へ向かう人も多いこの日。私は昼近くまで船でゆっくり過ごしていました。その時点では、くまモンパークだけ見てまた船に戻ろうと思っていました。でも九州新幹線にも乗りたいし、一目熊本城を眺めたいと思い立ち、遅い出発となりました。

港からタクシーで新八代へ。新幹線で10分足らずで熊本駅着。つかの間の九州新幹線でした。社内のデザインがおしゃれです。座席は曲木の技術を取り入れたひじ掛けがついていたり、窓のシェードが簾状になっていたり、車両の入り口の自動ドアが金箔(!!)の色だったりと驚きの内装。

驚いたことに新幹線に乗っている10分の区間が往復とも局地的なゲリラ豪雨でした。熊本に到着すると雨が降った形跡がありません。時間がないため熊本城は遠目から眺めるだけでしたが、天下に名高い名城の筆頭でもあり、雄々しい姿が復興の途上であることを見届けました。路面電車の乗車ではレトロな車体に巡り合い、新幹線とともに貴重な鉄旅の思い出になりました。

熊本市内の滞在時間は2時間弱!!!!もっと早くに下船して訪れるべきでした。帰りの新幹線を降りた新八代駅ではタクシーがなかなか来ないため、船の出港に間に合わないかと焦る場面がありました。その時にタクシーを手配していたご夫婦から声をかけていただき、相乗りができたので無事港まで行くことができました。新八代駅からタクシーに乗る人が少ないのか、予約をしないとタクシーに乗れない危機を救われたのと、反省するのと、ちょっとしたハプニングでした。

クルーズ船では各寄港地にオプショナルツアーを設定しています。ドル払いでの申し込みが可能でした。けれどツアーはなかなかに割高なので今回は申し込みをしませんでした。オプショナルツアーの良い点は、船の出港には必ず間に合うように帰れる安心感です。これが外国の寄港地であれば自力で動くのはかなりの冒険です。寄港地でレンタカーを手配したり、現地の友人に移動手段をお願いすることもできます。今回は福岡がそうでした。その際に注意すべき点は、船は天候によっては予定寄港地を抜港して代替地に向かうこともあるということです。実際、私たちが下船した次のクルーズでベリッシマは日本一周をする予定でしたが、台風6号の影響で九州へ向かうのを断念し、鹿児島と高知を抜港、代わりに室蘭を回って横浜へ戻る航路に変更になりました。クルーズの寄港地で自力で行動するのが自信がない場合は、割高でもオプショナルツアーがおすすめです。限られた時間をフル活用して観光をすることができるからです。

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タクシーに相乗りできたので無事港に到着。時間に余裕もあり、あきらめかけていたくまモンパークを満喫することができました。















IMG_2216.jpeg 2.86 MB乗客の皆さん、思い思いのポーズで記念撮影を楽しんでいらっしゃいました。
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くまモンをつまみ上げる一枚をパチリ。
66B68331-5BC7-440F-B26C-E78188F0640B.jpeg 1.26 MB熊本市内からは車の移動手段を手配できないと訪れるのが難しい場所にあるため、クルーズ旅で寄港するからこその訪問地だと思いました。脳内にくまモンの歌がぐるぐるまわっています。くまモンを嫌いな人はこの世にいるでしょうか。顔の左端から右の目の左端までと、顔の右端までの長さが黄金比(1:1.618、約5:8)。顔の左端から目の右端までと、眉間の長さが黄金比。それを知ってからは、くまモンにますますハマってしまいました。

7.    船の食事事情

MSCベリッシマの食事は充実しています。客船どこでもそうなのですが、クルーズ代金に含まれているレストランのほかに、有料のレストランがあります。入店できる人数が限定されれるので食事の質やサービスの質が期待できます。

ビュッフェの日本食は朝・昼・晩・夜食ともども品ぞろえが豊富でした。とある日本人板前さんから聞いたのですが、日本人シェフが3-4名常駐して交代でレシピを用意しているそうです。「なんちゃって」な和食の味ではなく、本当の和食がいただけます。特に夜食の夜泣き蕎麦ともいえる麺類は日本人にも大好評でした。日替わりで蕎麦やうどん、ラーメンがいただけます。朝食ではいわゆる旅館で出てくる日本食の総菜はそろっています。個別包装の納豆もありました。

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有料レストランのひとつ、日本料理レストランです。鉄板焼きと寿司バーが併設されています。寿司バーには日本人板前さんが1名いらっしゃいます。鉄板焼きの焼き手は日本人ではありません。寿司バーでのお料理の味は日本人も納得の日本食でした。キッチンスタッフが握った寿司もおいしくいただけました。びっくりしたのは、日本酒を頼んだ時です。7ドル8ドルの値段だったのですが、注文すると「ワンショットだよ」と言われました。少量ということは理解したのですが、提供されたのが御猪口一杯だけ、本当に「one shot」だったことです。おちょこ一杯で7ドル、8ドル!?!?!?
ちなみに有料レストランではドリンクパッケージは使えず、その都度チャージ対象となります。

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ここも有料レストラン、お肉が美味しくいただける「ブッチャーズカット」。船の中でも人気の予約困難なレストランのため、乗船してすぐに予約するのがおすすめです。メインのお肉の大きさが半端ではなく「でかい」です。メインを完食するために、お腹を空かせておいて正解でした。給仕担当のウェイターに「お肉が観たい」と申し出ると、お肉のガラス冷蔵庫を見に行っていいよ、と言ってくれたので中座しました。オープンキッチンなので焼いている姿も見ることができました。愛嬌のあるシェフが照れ笑いしながら笑顔でお仕事をしていらっしゃいました。注文したフィレミニヨンはおすすめの焼き加減、ミディアムレアです。こんな贅沢なお肉を普段賞味できないのでありがたく完食いたしました。その分、付け合わせのオニオンリングがまったく手を付けられずもったいなかったです。
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3か所目の有料レストランはメキシカンです。メニューにあるものは食べ放題ということでした。店内のインテリアがディズニー映画「COCO(邦題:リメンバーミ-)」を彷彿とさせます。誰もいない店内だったので気後れしましたが、食事が進むにつれお客様でにぎわってきました。数種類のタコス、ナチョ、トルティーヤチップスとサルサソース・アボガドディップ、マルガリータ、毎晩来てもいいなと思えるおいしいお店でした。

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8.    船旅で地球を旅する実感

大海原で過ごす毎日、太陽はもちろん、月や星を近くに感じ、360度の水平線に地球の大きさを感じる。そんな毎日を過ごしていると地球に対する恩恵や感謝の気持ちが芽生えてきます。ちっぽけな自分の存在を体感できます。万物の摂理に「ありがとう」と伝えたくなります。
航海中は台風に遭うこともなく、毎日夏空を見上げることができたことに感謝です。
感動した空と海の景色をこちらに揃えました!

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毎日の表情豊かな空模様を、こんなにも長い時間眺めることができて心身共に癒されました。多少の揺れはありましたが、おだやかな海原を進む船から飽くことなく景色を楽しめました。この4-5年の間に起こった悲喜こもごもを思い返しました。毎日荷物を詰めなおすこともないので、物思いにふける時間があるのも船旅の良さです。また次の船旅まで、がんばって働こうという鋭気を養うことができました。

船を降りるとき、いつも心の中で唱える言葉があります。

See you real soon!