沖縄といえば何を思い浮かべますか? 
青い空に青い海、灼熱の太陽、絶景の橋を渡るドライブ。
夏休みなどの大型連休の旅先に選ぶ人も多いはず。
4月上旬に海開きをして 夏が早くやってくる沖縄では、タイミングによってはGWに梅雨入りなんてことも。
せっかく青い空と青い海を楽しみに来たのにちょうど雨・・・なんてガッカリするのはまだ早い。
今回は、沖縄が大好きでこれまで10回以上訪れた ことがある筆者(好きすぎて三線も持ってます笑)が、梅雨の沖縄の楽しみ方をご紹介します。 

雨が似合う「やんばるエリア」

沖縄本島屈指の観光スポットとして挙がる、西側の恩納村(おんなそん)や古宇利(こうり)島。そんな古宇利島へは那覇空港から車で約1時間半。
古宇利島の少し手前の名護市から「やんばる」と呼ばれることも多いですが、「やんばる」って一体なんのことかご存じですか?

「山原」と書いて「やんばる」と読みます。字のイメージ通り、「山々が連なり、森が広がる地域」という意味。

名護市より北側の北部一帯を指す言葉なのですが、名護市はだいぶ都会で、名護市のお隣りの大宜味村(おおぎみそん)に入ると車窓の景色も一変して森が増え、店数もまばらに。
側道に入るとだいぶワイルドな木々が山原に来た気持ちを高めてくれます。
この森の木々、雨に濡れてもっさりとした緑がとんでもなく山原らしい「映え」なんです。
3.png 2.92 MB少し小道に入るとワイルドすぎる木々がお迎えしてくれます。


山原で食を楽しむ宿

ここからは、筆者オススメの山原らしさを満喫できる宿を2つご紹介。


▶やんばるくいな荘
住所:沖縄県国頭郡国頭村字辺土名1278-6
電話:0980-41-5506


昔ながらの四畳半程度の畳の客室。シャワーとトイレが一緒になったタイルの空間を備えた、ドラマに出てきそうな質素な、いえ、シンプルなお部屋です。
恩納村のキラキラしたホテルからは考えられない設備ではありますが、沖縄の山原に来たかんじがしてくるでしょ。

このお宿一番のオススメポイントは「ごはん」!

6.png 3.03 MB併設された雰囲気抜群の三角の小屋でお食事をいただきます。
中にある冷蔵庫のビールは飲んだら自己申告制。
地元の食材を生かした沖縄料理を食べることができます。
夕食も朝食も、沖縄の家庭的な料理をたっぷり食べて満足の宿です。
(お部屋の好みは分かれるかもしれませんが)

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やんばるくいな荘からもう少し山の中に入ったところに、この宿の息子さんが営む最先端のおしゃれカフェ「Bookcafe Okinawa Rail」があります。ここも是非足を運んでほしい。


▶Bookcafe Okinawa Rail
住所:沖縄県国頭郡国頭村奥間 大保謝原2040-107
電話:080−8350−5524
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Okinawa Railとは沖縄固有種の飛べない鳥「やんばるくいな」のこと。
沖縄の田舎を感じる「やんばるくいな荘」から一転してこのcaféは洗練されたシンプルなデザインの建物に超最先端設備を整えています。水道も電気も無い山奥に切り開いたこのcaféは、電気と水道と排水を自給しているんです。今や珍しくない蓄電池ですが、このcaféでは高価なリチウム電池ではなく、昔からある鉛電池を使用しているそう。
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大きなガラスから雨の滴る緑の景色を眺めながらゆっくりするのもよさそう。


ところで、飛べない鳥「やんばるくいな」ってどんな姿かご存じですか?
ふっくらとした個体にスラっとした足でテクテクあるく姿が愛らしいんです。山道を運転していても時折目の前を素早く横切る姿を目撃したりして、そのかわいらしい姿に興奮してしまいます。
AdobeStock_329735321.jpg 3.88 MB沖縄県北部のやんばる(山原)地域だけに生息している、飛べないクイナ。


沖縄のホームステイ気分を味わう宿

山原らしさを満喫できる宿2つめは、

▶民宿    海山木(みやぎ)
住所:沖縄県国頭郡国頭村字奥480
電話:0980-41-8383


沖縄本島の北の端を意味する「奥」というところにある宿。
すぐ近くに海があり、目の前には川、そして緑のお庭の中にある一軒家には客間が3部屋。お風呂やトイレはごく一般の家庭にあるものと同じで、みんなで共同で使います。
まさにオーナーの宮城さんのおうちに遊びに来た気分。
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庭に軒先を伸ばした大きなプレハブの空間があり、お食事時にはたくさんの沖縄らしい家庭料理が並びます。十種類以上の大皿料理から、自分の好きなものを好きなだけ食べる。
その日宿泊している全員が大きな食卓を囲み、仙人のようなオーナー・宮城さんの巧みな話術で気が付くと全員で楽しくおしゃべりしながら、まさに家族団らんの楽しいお食事の時間。

7.png 2.32 MBオーナーの宮城さん

8.png 2.36 MBビュッフェスタイルでいただく豊富な沖縄家庭料理


5.png 1.6 MB壁に貼ってある「過ぎる酒は人間をだめにする」・・・お酒は、ほどほどに。

山や森林が広がり、希少動物も多い山原は、雨でも楽しめる、むしろ雨がよく似合います。なんでもある那覇、国際色豊かな北谷(ちゃたん)、リゾートでリッチな気分を味わえる恩納村、いろんな姿で楽しませてくれる沖縄本島ですが、ぜひ北部の山原地域も訪れてみてはどうでしょう。きっと古くて新しい沖縄を発見できるはず。

梅雨の沖縄にがっかりしている?そんなことはありませんよ。
宿にカフェにおこもり滞在して、鬱蒼とした山々を眺め、地元の方とゆったり時を過ごす……。山原という魅惑の地域に行ってみませんか?