「捨てる」をデザインする町、上勝で考えたこと
徳島市内から車で約1時間。
山あいの道を進むと、
日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」をした町・上勝町に到着します。
日帰りでも楽しめますが、
一泊すると、この町のゆったりとした時間の流れをより深く味わえます。
私が徳島県にある上勝町を訪れたのは、
当時地域おこし協力隊の女性の講演会が
四万十で開催され、
「ゼロウェイストの町」をこの目で見てみたかったから。
ゴミを45種類に分別する町。(2026.3現在43)
ゴミ収集車は走らず、自分でゴミステーションへ持ち込む暮らし。
正直なところ、
出発前は「環境に優しいまち」
四国の田舎の世界の先進地というイメージでした。
でも、一泊して帰る頃には、
私が見ていたのはゴミではなく、
この町の暮らしそのものでした。
Hotel WHYでは、
チェックインした瞬間から、その世界観が始まります。
フロントには、役目を終えたワインボトルで作られたシャンデリア。
室内には、再利用された建材や
ハギレのパッチワークのカーテンに家具。
「捨てるもの」を「価値あるもの」に変える発想が、
建物全体に息づいていました。
必要な量だけ石けんをカットし、
必要な分だけお茶を量り、
必要な分だけコーヒー豆を挽く。
“必要なだけ”という考え方は、少し手間がかかります。
でも、その手間が、不思議と心地よく感じられました。
翌日は45種類に分別するゴミステーションを見学し、
宿泊で出たゴミの分別体験。
生ゴミはキエーロへ
土に埋めて再生します。
そして、くるくるショップへ。
誰かにとって不要になったものが、次の誰かの日常へと受け継がれていく。
因みに
この美しいてづくり小物は、何から生まれ変わったのでしょう?
正解は鯉のぼり🎏です。
よくよく見ると確かに鱗模様が。
「捨てる」のではなく、「循環させる」。
そんな考え方が、この町では特別なことではなく、暮らしの一部になっていました。
その後は、八重地の棚田へ。
山の斜面に寄り添うように広がる棚田は、
機械化が難しい場所だからこそ、
人の手で守られてきた風景でした。
さらに訪れた農業体験学校では、
地域で暮らし、農業を始めたい人たちを受け入れる取り組みも行われていました。
「地域の暮らしを次の世代へつなぐ」という考え方でした。
夜は月ヶ瀬温泉で一日の疲れを癒やし、
友達に紹介された山奥のバーで地元の人も交えて語り合いました。
自家製どぶろくもあります。
環境の町というイメージだけでは見えてこない、人の温かさや、ゆったりと流れる時間も、上勝町の魅力なのだと思います。
ゴミの分別の地元民の本音も垣間見れました。
例えば、納豆は、
発泡スチロール、
中のセロハン、
タレ・辛子の袋
と分別が面倒くさい。
藁に包まれた納豆が売ってたら
醤油や辛子は家にあるし、
絶対にそっちを買う。
旅を終えて四万十へ帰る道中、
私は自分の町のことを考えていました。
地域の魅力は、新しいものをつくることだけではない。
今ある暮らしや文化を、どう未来へつないでいくか。
徳島県の山間の町 上勝町は、
その問いを静かに投げかけてくれる町でした。
もうすぐ阿波踊りの季節です。
市内から少し足を伸ばして徳島県のディープな魅力を
味わうのはいかがでしょう。
またひとつ、四国界隈で心に残る風景に出会いました。
今回訪れた場所
HOTEL WHY(宿泊)
くるくるショップ
八重地の棚田
上勝茅葺学校
月ヶ谷温泉
Bar IRORI
RISE & WIN Brewing Co.
※営業日や営業時間は変更される場合があります。お出かけ前に公式サイト等で最新情報をご確認ください。
この6か所は徒歩や車で巡ると、「ゼロ・ウェイストを学び、泊まり、食べ、温泉で癒やされる」という上勝町らしい一日を体験できます。



