長谷寺篇に引き続き、残り2寺、岡寺と壷阪寺を紹介します。
岡寺
岡寺の正式名は、龍蓋寺(りゅうがいじ)といいますが、奈良県高市郡明日香村岡に位置するため、通称の岡寺でよく知られています。西国33か所巡りの7番札所、1300年以上の歴史を持ち、日本最古の厄除け霊場として有名です。
飛鳥時代の都があり、乙巳の変など数々の政治舞台となった飛鳥板葺宮からもほど近く、現在の明日香村役場からまっすぐ上った丘の上に、このお寺はあります。
仁王門をくぐり、すぐに目につくのが、たくさんの天竺牡丹(ダリア)が浮かべられた手水鉢。この時期はあじさいも加わっています。
さて、本堂に入ります。こちらの御本尊は、如意輪観音菩薩さま。大きな塑像の座像は大変珍しいもので、国の重要文化財に指定されています。
なんと、たまたま、本堂内々陣の扉が特別開帳されていて、覗き込むようにして、この仏様を間近で拝むことができました。例によって、本堂内は撮影禁止なのですが、ご本尊のほかにも、西国33か所のすべての御本尊のかわいい模写仏さんが並んでいるなど、見所いっぱい。
さて、本堂から外に出て、今回見たかった紫陽花は、外の池から奥の院にかけて。
奥の院を抜けると三重塔が建っている岡の上に。飛鳥の町をみることができます。
さあ、旅人にはここで飛鳥の観光をご紹介したいところですが、今日は紫陽花をテーマのはしごですので、隣町の高取町、壷阪寺へと向かいましょう。
壷阪寺
飛鳥から南に国道169号を走ります。これは、奈良、飛鳥からまっすぐ吉野に向かうルート。
今日は吉野ではなく壷阪寺に行きますから、途中、清水谷の交差点を左折して、山道へ。明日香から車で約20分で、壷阪寺の前に到着です。
壷阪寺は、西国33所の6番札所。眼病封じにご利益があると言われており、たくさんの方が目の病気を治してほしいと訪れます。そんなことから、敷地の中には奈良県で唯一の盲人専用の老人ホームがあります。
さて、急な階段を上り、本堂へ向かうと…。そこにあるのは、大きな石のお釈迦様の像。お寺は天竺(インド)とのご縁が深く、この大きな石仏はインドから送られたもので、天竺渡来大釈迦如来石像「壷阪大仏」と表記されています。
紫陽花で華やかに飾られているのは、「あぢさゐ回廊」のこの時期だけです。
私も花の中に交じってみました。(笑)
大仏さまは、この時期には、緑の紅葉の間から顔を出しておられ、ちゃんとそのお姿を拝めるビュースポットも設けられています。
本堂へ向かいます。これもこの時期だけですが、なんと、ご本尊のお身拭いの特別拝観ができます。
痛いところを治してくださいと祈りながら、仏様の御膝やおみ足をいただいた布でぬぐいます。
壷阪寺には、ほかにも大きな石の仏様がおられます。道路を渡った先に、大観音さまと大涅槃の石像が。こちらも天竺渡来です。今回は、飛ばしてしまいましたので、友人が送ってくれたものをコラージュにしてみました。
最後にもう一度、紫陽花にかこまれたお釈迦様を拝んでお寺を後にしました。
「あぢさゐ回廊」御朱印も3寺コンプリートです。