4年ぶりの開催となりました神田明神の神田祭。
徳川家康は関ヶ原の合戦で「神田明神」に戦勝を祈願したといわれています。
祈願の甲斐があって勝利した日が同社の祭礼日でした。
家康はこのような縁起のいい神社を厚く信仰し、祭りを絶やすことなく執り行うよう命じました。
神田明神がこれほど幕府の庇護を受けたのは、江戸城の鬼門封じの場所にあることも大きな理由だったのです。(神田明神はかつてはもう少し江戸城に近い場所にありました。ちなみに裏鬼門を守るのが溜池山王にある山王神社です)
神輿を見たかった将軍たちは、江戸城に神輿の行列を引き入れてご欄になったということで
神田祭は「天下祭り」とも言われるようになります。
5月14日は大小200を超える神輿が神田明神に向かって威勢よく進む「神輿宮入」がありました。
神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、築地魚市場など108町会が朝から晩まで続々と神田明神に宮入します。
大手町のフォーシーズンズでアフタヌーンティーをしたときに、ビルの一階に飾られていた
神輿を思い出しました。
現代では住人の少ないオフィス街の神輿は、周辺のビルの就労者が参加して神輿を担ぐそうです。
祭りの一番の見どころといってもいい「神輿宮入」ですが、神田明神の境内含めた周辺は大混雑必至です。
200基もある神輿を全部見るのは体力と忍耐が必要です。
そこで、「いくつかの神輿が見れたらいいな、でも混雑は避けたいな」、という思いでお茶の水に繰り出しました。
江戸っ子の掛け声とともに神輿が通るお茶の水へ
東京メトロ「新御茶ノ水駅」で地下鉄を降り、地上に出ると「わっしょい、わっしょい」の掛け声が街に響き渡ります。雨がちな日曜日、時折激しく雨が降る場面もありました。
お茶の水の地名の由来はもちろん「お茶」の水が関係あります!
この辺りは地盤の固い高台で、武蔵野台地の東の先端に位置しています。
家康の命で江戸城築城の際に神田の台地を切り崩し、
江戸城南東に広がる日比谷入江を埋め立てています。
そして開拓の際に湧き出した清らかな水を汲み上げ、
将軍徳川家康に献上してお茶をたてたそうです。
そのような関連があって、御茶ノ水には「水道歴史館」があります。
なんと、入場無料です!!
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎月第4月曜日(月曜日が休日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
入館料: 無料
所在地: 〒113-0033 東京都文京区本郷2-7-1
連絡先: TEL:03-5802-9040
今回は行きませんでしたが、数年前に学校の課外授業で見学したことがありました。
江戸時代の街では井戸を掘っても塩水のため、
遥か井の頭から江戸市中まで上水を引く大事業
を行いました。
その遺構が水道歴史館の庭に見ることができます。
館内の見学の後、帰り際にはお土産に「東京のおいしい水」を詰めたペットボトルをいただきました。
案内の係員さんから「おいしい水道水ですよ!」と自信満々で見学者に配ってくださったときは、
「え?水道水??」と戸惑ったのを覚えています。
とはいえ当時は街歩きで汗をかいていたので、おいしくいただきました。
それだけ、東京都心部の蛇口をひねって出る水道水がおいしいことを自負しているのです。
水の確保のために江戸開府以来、どれだけの苦労があったのかを知ることができます。
学びと感動の多い施設ですので、神田明神をお参りするなら
足を延ばしてみてはいかがでしょう?
お茶の水の「Restaurant 1899」でアフタヌーンティーの予約をしていました。
夏も近づく八十八夜を過ぎた五月の中旬、新茶のおいしい季節がやってきました。
テラスの緑を眺めながらのお茶タイムです。
お茶を使った料理やスイーツがメニューに並び、お茶好きの胃袋を満足させてくれます。
【内容(計10種)】
抹茶とオレンジのミルフィーユ / 抹茶栗羊羹ゼリー / 抹茶かき氷 / 抹茶豆乳プリンのミニパフェ / 抹茶タルト / 濃茶アイス / 煎茶チキンと茶葉の湯葉巻き / 抹茶ポテトサラダ / 抹茶玉子サンド / 果物(公式ウェブサイトより)
まずは一杯目、深蒸し煎茶「あさつゆ」を冷茶でいただきました。
ポットに入れて提供されます。
豪華な三段スタンドのアフタヌーンティーは食べきれないことも多いのですが、
こちらのアフタヌーンティーはほどよい量と甘さ控えめの味が多くて、
日本茶との相性も絶妙に良かったです。
この日はお店の隣の広場が神輿担ぎの休憩地点となっていて、
おそろいの法被を着た町内会の地元の人が休憩をとっていました。
30分ほどの休憩の後、神輿の再出発の瞬間をお店の前で見ることができました。
混雑もなく、間近で勢いのある神輿担ぎを観覧することができて幸運でした。
神輿が通り過ぎ、アフタヌーンティーをおいしくいただいたところですっかり夕方です。
レストランを出て日本橋へ向かって歩き始めると、神田や日本橋の町内に神輿が続々と帰ってきました。
道すがら、あちこちの町内会で祭りの後の賑わいを感じることができました。
江戸時代の創業、「三井越後屋」の350年を垣間見る三越本店へ
日本橋の商業の中心として江戸時代から創業350年を迎えた三越本店にも、
祭りの熱気がありました。
建物自体が重要文化財である歴史を誇る三越。
祭りの提灯が入口を飾り、店頭には戻ってきた神輿が祀られていました。
一方、店内のアトリウムロビーでは神田祭の貴重な資料を閲覧できる無料の展示があり、
写真を撮ってもよかったので皆さん熱心にシャッターを切っていました。
神田明神創建1300年記念 三越創業350周年
-浮世絵や絵巻で見る-
神田明神と神田祭展
2023年5月10日(水)〜5月22日(月)
午前10時〜午後7時30分
日本橋三越本店 本館1階 中央ホール
[入場料無料]
主催:神田明神と神田祭展実行委員会
協力:神田明神資料館
この三越本店には劇場が併設されておりとても素敵な建築なのですが、それはまた後日ブログでご案内したいと思います。
江戸時代から続く大きなお祭り、神田祭で久しぶりの街の熱気を実感できた休日でした。
神々しい天女の像とアトリウムのガラス天井。
「三越地階売場
地下鉄入口」
旧漢字がレトロです。
東京メトロ銀座線ので三越前駅直結。
有楽町線は日本最古の地下鉄です。