こんにちは!トラベルライターの土庄(とのしょう)です。7月末から旅行好きコミュニティ「旅色LIKES」が始動しましたね。

まずは"人に教えたい旅体験"がライティングのテーマということで、私は「避暑旅」をご紹介しようと思います。

うだるような日本の夏、どこに行ってもムシムシとした暑さがつきまとい、外出が億劫になってしまいますよね。しかし、だからこそ涼感を求めて、アクティブに旅をするのも楽しいもの。

私の住んでいる愛知は、中部国際-秋田(ANA)、名古屋-青森・花巻・山形(FDA)など、東北へ就航する便が充実しています。会社が休みとなるお盆には、9連休をフル消化して東北を訪れるのが、私の中でトレンドです。

時には、マイ自転車を積み込み、北の大地を駆け抜ける大人の冒険も楽しんでいます!

ルーツは大学時代。考古学ゼミの金木調査

IMG_4378.JPG 1.43 MB「夏休みになると、なぜ北を目指すのだろう?」

そう考えた時、ルーツは大学時代にありました。それは当時私が在籍していた考古学研究室で敢行した、青森県金木町の地質調査です。

金木町は、津軽半島の風光明媚な田舎町。文豪・太宰治の故郷としても知られています。そんな金木町ですが、実は考古学では、偽石器(石器に見える石)の産地として有名。

偽石器=自然為を分析することで、石器の特徴=人為について迫ろうというテーマの研究調査でした。

IMG_3799.JPG 575.66 KB約1週間にわたる滞在では、朝から晩まで地層掘りと測量の毎日。泥臭く、体力勝負のストイックな調査が続きましたが、その中で

・津軽富士の雄大な山容
・朝晩の涼しさ
・朝日を浴びて走る津軽鉄道
・最果ての非日常感


など、今でも鮮やかな臨場感を伴って、脳裏に焼き付いて離れない風景・時間を得ました。

切磋琢磨した仲間と、たらふく飯にありつき、お風呂で汗を流したことも、青春というべき思い出です。

IMG_3698.JPG 616.85 KB予算の都合上、青春18切符・夜行バスで京都〜青森まで移動したり、調査中に後輩がスズメバチに刺されるなど...本当に色々ありました。

決してスマートな旅とは言えませんが、旅行経験がほとんどなかった5年前の私にとって、今でも最初にして最高の旅です。

青森を再訪。そして東北・避暑の旅へ

IMG_6287.JPG 1.43 MBそれからでしょうか。夏を迎えるたびたび、夏の青森の思い出が、鮮やかな映像として脳裏に浮かび上がるようになります。

久しぶりに、あの青春に戻りたい。懐かしいフィールドを再訪したい!これこそ社会人になってから、夏に東北を訪れる原動力となりました。

IMG_3408.JPG 656.4 KB気づいた時には、高い交通費を勘定に入れず、青森行きの飛行機を予約。少しでも予算を節約するために、自転車(ロードバイク)を現地での移動手段に選びました。

ちなみにANAやJAL、スカイマークなどの航空会社では、自転車は受託手荷物。キャリーケースと同じ扱いで、輸送料金はかかりません。

そして青森県を何度か再訪し、近隣の秋田県や岩手県へ足をのばしているうちに、「避暑旅」というテーマが完成します。

P8121730.JPG 1.06 MB「八幡平(はちまんたい)」は雲上の楽園。色とりどりの高山植物が咲き乱れ、下界が嘘のように冷涼。東北の山々に魅せられます。

IMG_6183.JPG 877.04 KB本州最北端の花火を眺め、心地よい夜風が頰をなぜる「大間崎」。非日常でカラフルな、2018年のお盆の思い出です。

P8132046.JPG 1.11 MB「奥入瀬渓流」は、鮮やかな緑にマイナスイオンがパックされ、さながら天然クーラー。自転車で走り抜けるのも、この上なく爽快でした。

自分が住んだことのある大阪や名古屋では、夏に快適にサイクリングをするなど不可能です。

再訪を繰り返すうち、夏は北まで飛んで、非日常で涼感にひたる旅をする。この旅スタイルが毎年の習慣となりました!

夏の東北でおすすめしたい!5つのスポット

IMG_9871.JPG 2.45 MB今回はせっかくなので、そんな大好きな夏の東北のうち、とっておきの場所を5つご紹介。避暑が目的なので、山に偏りがちですが、悪しからず...!!


世界遺産にも登録!日本最古の石器を展示する「大山ふるさと資料館」
P8150631.JPG 658.35 KBまず最初に紹介したいのは、津軽半島の内陸に位置する「大山ふるさと資料館」

以前は考古学に詳しい人が知る、マイナーな場所でしたが、実は2021年7月に【北海道・北東北の縄文遺跡群】として、資料館の隣にある大平山元(おおだいやまもと)遺跡が世界遺産に登録されました。

縄文時代の頃、日本の中心は北日本であったのでは?と思うほど、青森に根付く豊かな漁労採集文化を垣間見ることができます。

<大山ふるさと資料館の基本情報>
住所:〒030-1307 青森県東津軽郡外ヶ浜町蟹田大平沢辺34-3
営業時間:9時00分~16時00分
休館日:月曜日
入館料:無料
アクセス:青森市街から車で約50分


道マニアにはたまらない!圧倒的なパノラマ広がる「寒風山」
IMG_7505.JPG 1.33 MB自転車旅を楽しんでいると、道への思い入れが強くなります。

近頃は、日本100名道や、それに準ずる絶景道を探して国内を巡っていますが、東北有数の道が秋田・男鹿(おが)半島の「寒風山パノラマライン」です。

標高300mちょっとでありながら、なぜか木々が全く生えず、森林限界の圧倒的パノラマ!眼下には日本海も雄大に広がります。

特に道オタ的には、阿蘇を彷彿とさせるような、このM字カーブが◎

<寒風山パノラマラインの基本情報>
住所:〒010-0663 秋田県男鹿市男鹿中滝川寒風山横通
料金:無料(寒風山回転展望台は有料)
アクセス:男鹿市街から車で約50分


これぞ夏休み。絵画のように美しい「十和田湖」
IMG_9990.JPG 3.12 MB訪れた時、とても天気が良かったからか、一段と印象に残っている「十和田湖」。秋田県と青森県にまたがっているカルデラ湖です。

広大な湖は、空の青さを余すところなく吸収し、鏡張りの絶景!ところどころ漂う雲も、まるで絵画のような雰囲気を演出してくれました。

奥入瀬渓流へと続いていく唯一の水源にして、八甲田山麓の世界を作り上げる生命の源。湧き上がるような自然の生命力が、心に潤いをもたらしてくれます。

<十和田湖の基本情報>
住所:〒018-5511 秋田県鹿角郡小坂町十和田湖休平(十和田湖レイクビューホテル周辺)
アクセス:青森市街から車で約1時間40分


岩手山にうっとり。「焼走り溶岩流」の山岳絶景
IMG_9297.JPG 2.23 MB岩手県の特別天然記念物「焼走り(やきばしり)溶岩流」。県の象徴・岩手山が1719年に噴火した時、流れ出た溶岩が固まって形成されたものです。

あたりは木々が生えず、荒涼とした山肌。遮るものもなく、岩手山が広がります。美しくも過酷な山の世界。その隔絶した山岳情緒を物語ってくれる場所です。

訪れた時は、雲が帯のようにかかっていました。時間帯により全く表情が異なるのも山の魅力。標高1180mと高いため、夏でも清々しい朝を過ごしました。

<焼走り溶岩流の基本情報>
住所:〒028-7113 岩手県八幡平市平笠(焼走り溶岩流展望台)
料金:無料
アクセス:盛岡市街から車で約45分


下北半島にある極楽浄土。青の秘境「仏ヶ浦」
IMG_5876.JPG 1.25 MB最後に紹介したいのは、下北半島の景勝地「仏ヶ浦(ほとけがうら)」

津軽海峡が作り上げる海食崖地形は、さながら極楽浄土を彷彿とさせることから、このように名付けられました。巨岩は五百羅漢や蓮華岩など、仏教用語で喩えられています。

そんなこの場所の特筆すべきポイントは、海の透明度。エメラルドブルーに透き通り、白亜の巨岩との対比がひたすらに美しいです。

アクセスが容易でない、まさに秘境ですが、それゆえに辿り着いたときの感動必至!

<仏ヶ浦の基本情報>
住所:青森県佐井村大字長後縫道石地内
電話番号:0175-38-2244(仏ヶ浦海上観光)
アクセス:大間から佐井港まで車で30分、佐井港から仏ヶ浦遊覧船で40分
※仏ヶ浦遊覧船のネット予約は 仏ヶ浦の観光遊覧船|仏ヶ浦海上観光(株)【公式】 。電話予約も可




夏こそ飽くなき冒険心を解放しよう!

IMG_5925.JPG 987.66 KB個人的な内容をつらつらと書いてしまいましたが、とにかくお伝えしたかったのは「夏の東北は良いぞ!」ということ。

暑い夏は家に閉じこもりがちになるかもしれません。しかし、夏こそ訪れてほしい場所があり、自分の好奇心を解放できる旅のフィールドがあります。

ぜひ夏こそ避暑を求めて、日本を北上する旅を楽しんでみては?


▼旅色「みんなの旅プラン」にも、青森の旅プランを寄稿しています。(ご参考まで)