3月にロシアがウクライナに侵攻して4ヶ月になろうとしており、その戦火の凄まじさが毎日のように報道されています。世界中の人々が戦争の悲惨さを目の当たりにしながら、それを止めることができないもどかしさを感じています。

1945年8月9日。77年前のこの日に長崎市に原子爆弾が投下され、町はすべてを焼き尽くされ、多くの犠牲者がでました。あの日からこの町は「平和の町」として世界平和を願いメッセージを発信し続けています。

今日は長崎市の北部、爆心地に近く、かつて炎の海と化した浦上地区の遺構を訪ねつつ平和を祈りたいと思います。

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長崎駅から路面電車に乗って浦上駅前で下車。長崎の路面電車はどこまで乗っても1乗車140円。全国でもかなり安い方に入ります。

原爆の爪痕を今に語る山王神社の遺構たち

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少し歩いたところにある山王神社に続く階段。階段の上に「F」のような形をした何かが見えます。
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階段の上に建つのは通称「一本足鳥居」。かつてはきちんとした形の鳥居だったのですが、原爆の爆風を受けて片足は吹き飛び、貫の部分は回転して反対方向を向いてしまいました。
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鳥居の足元には崩れた鳥居の残骸が戦災遺構として展示されています。こんな大きな物がひとたまりもなく壊されてしまう。原爆の凄まじさを物語ります。

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山王神社に来ました。階段を登ると2本の大きなクスノキが出迎えてくれます。

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原爆の被害を受け一時は枯れ木同然となってしまいましたが、その後樹勢を取り戻して奇跡の復活を遂げて「被爆クスノキ」として復興の緒に就いたばかりの市民を勇気づけてきました。ただやはり内部は原爆の影響で空洞化していて風に弱くなり樹医の診断は欠かせなくなっているそうです。

2014年、長崎出身の福山雅治さんがこの木をモチーフにした「クスノキ」という楽曲を発表しています。

原爆で崩壊した東洋一の大聖堂・浦上天主堂

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小高い丘の上に建ち、浦上地区のシンボルとして存在感を示すのが浦上天主堂。キリスト教が弾圧を解かれた後1914年に東洋一の煉瓦造の大聖堂として建築されましたが、原爆で大きく破壊されその後再建されました。
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左の聖母像、右のセントヨハネ像は原爆の被害を免れ、崩壊前の建物にあったものをもとの位置に戻しているそうです。
IMG_2908.jpeg 1.4 MB天主堂の前に今も残る首のない聖人像。原爆で大きく壊され、熱戦で変色しており原爆の威力の凄まじさを今に伝えます。
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天主堂の麓にあるのがかつての鐘楼。原爆の爆風で吹き飛ばされて川沿いに落ちたものがそのまま遺構として残されています。

戦争のない世界を願い祈りをささげる・平和公園

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平和公園へと歩いていく途中。浦上天主堂を中心にした浦上の町がきれいに望めます。かつて戦災に見舞われたこの町は天主堂とともに見事に復興しました。
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平和公園の広場の前で存在感を示す平和祈念像。原爆の脅威や平和を表すこの独特のポーズが印象的です。今も犠牲者の冥福を祈り、平和を願う人たちが絶えずこの像の前で祈りを捧げます。

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全国の修学旅行生たちが、そして世界の彫刻家たちが平和を願いこの公園に折り鶴や彫刻を贈っています。
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平和の泉では噴水できれいな虹がでていました。ウクライナや今戦火に見舞われている地域でもいつか平和な中で虹を見られる日が来ることを祈ってやみません。

爆心地を訪ねたあと原爆資料館へ

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平和公園の南、爆心地公園。その名の通りこの塔の真上で原子爆弾は炸裂しました。思わず空を見上げてしまいます。
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原爆で崩落した浦上天主堂の遺構の一部がここに移されています。
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爆心地公園を訪ねて最後に訪ねたのが長崎原爆資料館。浦上をめぐりその被害を知ったうえでここを訪ねると、被爆時の情景をよりリアルに思い浮かべることができます。
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長崎を訪ねたのは4回目ですが浦上を訪ねたのは30年ぶり。久しぶりの訪問になりました。南山手や中華街など異国情緒あふれる「世界への玄関」とは違うもうひとつの「被爆地」としての長崎の顔。核使用の可能性さえある戦争が起こり世界を震撼させている今こそこの浦上の地を訪れ、平和を祈ってみてはいかがでしょうか。