今年の京都はえげつないで、と京都在住の家族からアドバイスを受けました。ご多分に漏れず観光公害のことです。3月以降から続々インバウンドの足が戻り、5月以降にコロナが5類となり、日本全国民や全世界の注目が京都に戻ってきました。
そんな京都の日常生活は、市民にとってどれほど脅威であるのか、家族から話を聞くにつれ、観光の足が遠のきそうです。わたしは人込みや混雑が苦手です。いかにして人がいないところ、時間に出歩くかといつも考えて行動しています。
つまり、年末年始やゴールデンウイークはそもそも出かけない性分です。
そんな私の2022年は、10月下旬から12月初旬まで東京と京都を6往復もしました。外国人観光客もまだ入国制限があり、日本人であっても越県しての不要不急でない出歩きは遠慮する時期でした。
わたしは大学の通信教育課程に在籍していたので、22年後期はスクーリングのために毎週末京都に通う必要がありました。出費はかさみましたが、全国旅行割のおかげもあってずいぶんと安い宿泊費で、しかも飲食につかえるお買物券ももらえてお得な京都旅を堪能しました。
スクーリングは二の次だったのかもしれません。
今年はきっと、すさまじい数の人が京都の紅葉を求めて入洛することでしょう。そら恐ろしいです。そこで、去年の紅葉の様子を40日にわたってご紹介することで、見ごろと混雑回避のヒントをお伝えできればと思いました。いつもの動画は封印です。動画にすべき写真をすべてこちらに載せました。
①から⑳まで、時系列で2022年の紅葉を紹介します。長いです。お時間のない人は早送りして写真だけでもご覧いただければ幸いです。
①2022年10月31日(月) 13:00~16:00
京都市東山区 無鄰菴~南禅寺
無鄰菴は時間予約制ですので、入園する人数が限られます。混雑しすぎることはない場所です。
人がいないところを狙ったのではなく、このような閑散とした感じです。行く直前に時間指定の予約が取れたので目的地に定めました。
左奥の床の間には5-6人の外国人とガイドさんがくつろいでいました。30分に一回10分ほどの説明があるのでこの部屋で待っていました。全部で10名くらいの人が集まったところで日本語でのお庭の案内や歴史の説明がありました。
山形有朋の別邸だったところで、椿が好きだったそうです。庭には椿がたくさん植えられたそうです。そして東京の山形有朋のお屋敷にもたくさん椿が植えられ、それが現在の「ホテル椿山荘」だそうです。
東山の峰々を借景にしたので奥行きがあり、広々と感じます。 書院を出て靴を履き、庭を歩きます。池の周辺はすでに色づき始めていました。(11月1日)
庭師の方が手入れをする様子をじっと眺めていました。プレッシャーになったかなあ???
庭師の方が立ち去った後、池越しに書院の方を眺めた風景。午後13時過ぎですのでまだ日が高く、曇り空とはいえ色づいたところが鮮やかです。
23年のJR東海「そうだ京都行こう」でも使われた京都市東山区の南禅寺。14時過ぎ、少し暗くなってきました。雨がぽつぽつと降ってきます。山門のモミジはまだまだのようでした。
山門から額縁のようにモミジを撮りました。赤く色づいたらきれいでしょうね。
近くの塔頭寺院の白壁に、色づいたモミジが影を落とします。
南禅寺本坊です。
南禅寺本坊は枯山水の石庭があり、その周辺を囲うようにモミジが植えられます。 全部色づきかける頃より、このグラデーションが好き、っていう人いませんか?
私はこの時期がたまらなく好きです。モミジの虹です。
2022年以上に今年は酷暑でした。色付きはどう違うでしょうか。見比べたいです。
そして1週間後です。
②2022年11月7日(月)12:00頃
滋賀県大津市三井寺
琵琶湖を見張らせる場所まで石段を登ります。正午の陽射しがまぶしいほどの晴天でした。
三井寺は東に面する傾斜に建立されています。日当たりも良く、色付きが進んでいました。
参道のモミジもグラデーションがきれいです。
平日ということもあってか人影もまばらです。時折すれ違う人がいるくらいで閑散としています。
西国三十三観音霊場第14番札所の御朱印です。
さらに山の上の方へ歩いてみます。
十分きれいに色づいていました。誰もいません。
見上げると、雲一つない晴天。
モミジを独り占め、の至福の時間です。
物思いにふけりながら歩くには最適の静寂の中、三井寺を後にします。
③2022年11月7日(月) 13:15
滋賀県大津市 琵琶湖疎水クルーズ
琵琶湖疎水クルーズはもちろん予約制なので、予約した人が乗り場に集まっていますが混雑ということはありません。船に乗り込めば、混雑を気にすることなく悠々自適に船からの景色を楽しめます。ガイドさんの案内もとても楽しく、学びがありました。
春の桜もきれいですが、秋のモミジも散策するには最高の景色です。11月8日の平日午後、疎水沿いを歩く人はまばらでした。
疎水に張り出すように枝を伸ばすモミジが、水面に色彩を反映させます。
蹴上の到着は14:55です。まだまだ日が高い時間なので、地下鉄蹴上駅まで歩いて周辺の東山散策ができます。
わたしはインクラインを南禅寺方面に歩きました。
レンタル着物を着た女子グループやカップルにとって、ここで写真を撮るのがお決まりのようです。
④2022年11月7日(月)18:00頃
京都市東山区 高台寺
毎年ライトアップは大人気の高台寺です。ここ数年は混雑過ぎて敬遠していましたが、きっと今年がいいチャンス、と思って出向きました。それでも人が多くてこの時期でもインバウンドのお客様が半分くらいでしょうか。知名度が上がったなと思います。
劇的な音楽と度肝を抜かれるような派手なプロジェクションマッピングです。
境内の紅葉は11月7日時点で「色づき始め」です。翌日が満月だったので、ほぼ丸いお月様が東山から顔を出しました。気の利いた一首でも浮かばないかなあ、と考えにふけりましたが駄目でした。
深紅に色づいた紅葉とお月様。
境内はライトアップされていますが、月明りのなかを歩いている感覚で風情がありました。
少し月が高くなってきたので、池に映る月を撮りました。満月と快晴と紅葉が三拍子揃うってなかなか巡り合わせがないので貴重な景色です。
⑤2022年11月13日(日) 6:47am
京都市下京区伏見稲荷御旅所
夜行バスでついたのが京都駅八条口。そこから歩いて宿泊先の「OMO東寺」に向かう途中にある稲荷神社です。月がそろそろ沈むころでした。
OMO東寺では、プリチェックインしてすぐ荷物を置き、着替えて軽く朝食を食べました。
【期間限定】世界遺産「東寺」紅葉ライトアップさんぽ
宿泊者だけが参加できる少人数での徒歩ツアー。宿泊予約と同時にアクティビティの予約をしました。
ロビーの白洲には自分で作る枯山水のセットが置いてありました。
My箱庭、良いですね。
⑥ 2022年11月13日(日) 18:00
京都市南区 東寺
17:45ロビーに集合。10名限定、1000円は拝観料のみで、ガイド代は無料です。多くの観光客が夜間拝観の開門を待って大行列をなしているなか、OMOレンジャーに導かれた一行は、脇の門からするりと入ることが出来ます。優越感です。OMOレンジャーさんは金堂内部の仏像の案内もしてくださいました。後日お堂の中を昼間お参りしましたが、夜の方が断然良いです。宇宙空間に仏が浮かび上がるような没入感のある立体曼荼羅を体感できます。撮影不可なのが残念ですが、その分、何十分も滞留して曼荼羅を目に焼き付けました。
まだ人がいない境内の静かな紅葉を愛でる時間は至高の時間です。
大粒の雨が降ってきましたが、雨に濡れて発色が増したモミジが、ライトアップで輝きを増します。一人旅の参加者には、OMOレンジャーさんが写真を撮ってくださいます。1時間ほど境内を案内してそのあとは自由解散。好きなだけ境内のモミジを眺めて歩きました。
逆さ紅葉もまた一興。そろそろ団体さんが入ってくるな、という頃までには紅葉を占有した気分でした。
紅葉の余韻に浸りながら、お部屋で「紫野和久傳」の二段弁当を賞味。コロナ禍だったので飲食店の営業時間もイレギュラーでしたし、密になった飲食店を避けるためにも部屋食を選びました。
お弁当の中には秋が広がっていました。
京都伊勢丹の地下2階にあるお弁当売り場で受け取れるよう、事前予約をしていました。夕方になると大混雑で欲しいお品物も売り切れということがあるため、予定が決まった時点で予約の電話をします。オンラインでも予約可能です。
https://isetan.mistore.jp/kyoto/foods/obento/index.html
⑦ 2022年11月14日(月) 7:30ー8:30
京都市東山区 東福寺
東福寺は紅葉を見るなら絶対に外せない名所です。とはいえ、大混雑で人気の通天橋では写真を撮ることも押し合いへし合い、という想像をしていました。ということで、今回はJR東海ツアーズの現地発着ツアーで売り出した早朝拝観券を発売開始とともに購入していました。2023年も実施します。
宿泊したOMO東寺からはバスで東福寺まで207系統で一本です。この区間は市民しか利用しないので通勤ラッシュ前でもあり、余裕で座れました。
京都駅からのJR奈良線や京阪電車で東福寺駅に向かうには人込みが多かったと思います。
普通の開門前に一足早く入園でき、静かな紅葉の谷間や通天橋を散策できます。早起きが苦手な私はどきどきしながら目覚ましをかけて就寝しました。ぎりぎりでしたが、開門前の入場ができました。門前には普通の拝観時間の開門を待つ行列がありましたが、JR東海ツアーズの係員に電子チケットを見せて入場します。
通天橋を早朝に撮影する際、快晴だと逆光で通天橋は映らないのです。(私のi-Phoneでは、のことです。一眼レフを持つセミプロカメラマンなら撮れるかも)
受付を入るとモミジの谷間へ降りていきます。そして渓谷を降りて登ってようやく通天橋が見えてきました。人影もまばらです。
2022年11月14日でこの色づき具合です。
7:57はまだ開門前。通天橋もこのくらいのまばらな人です。
8:05早朝特別拝観で入園した人もそろそろ出ていく時間帯。 朝露に濡れた苔の上に、深紅のひとひらが舞い降りました。
8:19の通天橋。7:30から入った参拝客が出ていき、8:30から入る通常の参拝客がまだ入ってこない隙間時間。通天橋の真ん中に張り出した人気争奪戦の撮影ポイントはこんな感じです。 こんなひと気のない通天橋と見ごろのモミジ、もう撮れないかもしれない。そう思うと名残惜しく、立ち去りがたく、後ろ髪を引かれる想いでした。
8:24、もうすぐ開門で一般の参拝客がなだれ込んできます。人影のない境内を写せる最後のチャンスでした。
9:14の通天橋は観光客で埋め尽くされた光景が広がっていました。これから宿に戻って仮眠します。近いのでできる技です。
⑦ 2022年11月14日(月) 13:30
京都市北区 神護寺
JR京都駅からJRバスで1時間ほどかかりますが、始発なので座っていけるということもあり、この手段で向かいました。想像通り、途中からは乗れません。満杯なのにバスの運転手は乗り場のドアを開放するので乗ろうとしますが、バス停で待つ人は落胆しながらバスを見送ります。この路線が生活圏の市民にとっては恨めしいことだと思います。杖をもっているご年配の夫婦も乗れませんでした。ごめんなさい、という気持ちになってしまいます。
多くの人は下り坂が楽だと思ってもっとも北にある高山寺から西明寺、神護寺と歩くルートをたどります。けれど、帰りのことを想像してください。神護寺から乗ったのでは座れないばかりか、乗れない可能性もあります。ですから北へ向かって歩き、高山寺から帰路に就く計画です。
バス停「高尾」で下車し、谷を降りて川を渡り、また渓谷を登る20分の参道です。石段がきつく、簡単にはたどり着けない事実を途中で知って引き返す人もいました。
2022年11月14日(月)の14:51の明るさと人込み状況です。人込みはありません。
紅葉は金堂の石段付近がきれいに色づいている時期でした。
木洩れ日がまぶしいほどのお天気です。
⑧ 2022年11月14日(月) 15:30
京都市北区 高山寺
日が傾いてだいぶ薄暗いようそうです。参道には歩く人がいませんでした。
本堂に上がると人がちらほら。ここはかなりの山中ですので、帰りがけの人が多かったです。日が暮れる前に下山したい心理が垣間見られます。
柱で区切られた山の風景がまるで、しつらえられた襖絵のようです。
石水院越しの北山の紅葉です。
北山杉の濃い緑色と紅葉の深紅の色が印象深いコントラストです。
16:00過ぎのJRバス「栂ノ尾」のバス停から乗りました。座れました!!
案の定、南下していき、神護寺参拝客が待つ「高尾」のバス停からは座れないくらいの人が乗り込みます。これからの長い時間、揺れる山中を吊革につかまっての車中は疲れも増すことでしょう。
⑨ 2022年11月20日(日)19:43
京都市伏見区 醍醐寺金堂
この夜は金堂で音楽と踊りの奉納がありました。19時からの開演でしたので18:30頃に入山。公演のチケットを購入した人だけが金堂に入れます。しかしながら夜間拝観をしていたので、外観だけは参拝客でも見ることが出来ました。
私はその公演を鑑賞したあと、19:30から境内のライトアップを楽しみました。日曜日の午後8時近くなので訪れる人が少ないです。最寄り駅の地下鉄東西線「醍醐」からも夜道暗い中を20分ほど登り路で歩くことになるため、車で来る人が目立ちました。大型駐車場は余裕で駐車できました。
日が落ちると寒い気温です。金堂での公演に際しては席にひざ掛けが用意されていました。
奥の観音堂付近が見どころらしいです。醍醐寺の夜間拝観は初めてですし、普段の参拝で観音堂を意識したことがないため、どこだろう、と探しながらの夜道。のぼり旗をたどりました。
醍醐寺の紅葉。醍醐の桜、で有名な寺院ですがモミジも負けていません。
夜道はライトアップされていても段差が激しくあり、路は険しいです。紅葉を見上げて橋のたもとで足を踏み外し、頭を打った参拝客がいました。写真ばかりに気を取られず、足元にも気持ちを向けましょう。
伏見区にある醍醐寺は京都の中でも洛南にあるため、洛中より少し紅葉が遅めと言われています。
仁王門から参道を振り返って見ると、モミジのトンネルが続きます。完全に赤くなったら、門の朱色と合わせて鮮やかな絵になりそうです。
⑩ 2022年11月21日(月) 12:01
京都市南区 東寺
2022年の京都の紅葉はこの時期が見ごろを迎えていました。この日は日中ど真ん中の正午に東寺に参拝しました。この日は毎月21日開催される「弘法さん」があります。境内は露店が軒を並べ、買い物客で押し合いへし合いの大混雑です。
何年ぶりに弘法さんの境内を歩くことでしょう。久しぶりなのでひととおりお店を見て回りました。
弘法さんに人が集まったためか、有料で入園するエリアは人が少なく、むしろ夜間拝観よりも空いていました。紅葉の鮮やかさが、南中の陽射しを受けて一層鮮やかです。
散り紅葉も同時に楽しめる時期でもありました。
有料の園内が昼間にこんなにひと気がないとは大発見でした。2023年はさあ、どうでしょうか。
東寺の南門にある大イチョウから舞い落ちた銀杏の葉っぱが手水鉢に浮かびます。
13:52の陽射しです。
この日に御朱印をいただくのは40分並びました。弘法さんなので参拝客も多かったのでしょう。7か所の窓口でお寺の方が一心不乱に御朱印対応をしていました。夜間拝観は夜間のみ「書置き」で特別御朱印が拝受できました。でもやっぱり、21日という日付が良い記念なので並んでも欲しかった御朱印です。
⑪ 2022年11月21日(月) 17:39
京都府宇治市 宇治橋付近
こちらもJR東海ツアーズの企画で販売されている人数限定特別拝観チケットを事前購入しての参拝です。
月曜日ということもあり、人の気配がありません。日曜日はバスの団体客含め、大行列だったそうです。有給休暇を取っても平日に行くべき、と思いました。
⑫ 2022年11月21日(月)18:36
京都府宇治市 興聖寺
琴坂は貸し切りではありませんでしたが、本堂はJR東海ツアーズのお客様のために公開されています。限られた人だけの参拝なので静けさが漂う、厳かな空間でした。
山門から琴坂を振り返るカップルが良い雰囲気で、フレームに入れてしまいました。
18:33。すっかり暗闇になった琴坂には行灯が灯り、見上げると紅葉のトンネルが頭上を覆います。
係の人がおっしゃるには、前日の日曜日は殺伐とした混雑だったそうです。月曜日、ねらい目でした。
ひっそりと光に浮かび上がる石碑。
⑬ 2022年11月21日(月)18:56
京都府宇治市 平等院鳳凰堂
JR東海ツアーズの貸し切り夜間拝観です。本当に静かすぎて極楽浄土の世界に没入します。
池に張られた水が鏡のようにたたずみ、光にあぶりだされる鳳凰堂を映し出します。
10円玉を出して見比べるのも、暗くてはばかられました。水面には逆さ阿弥陀が映り込み、ありがたさ倍増です。夜間だからこそ、光に照らされた阿弥陀如来の表情までも拝むことが出来ました。
真正面からみた鳳凰堂。この光景、どんな素人でも写真映えします。風のない、奇跡のような条件がそろって撮れた一枚です。
そして、5歩くらい後ずさると・・・・・・
人がまばらにいるのですが、紅葉のフレームが入って遠近感が出てきました。この人垣がなくなることはなかったので、画像処理すれば人を消せるかもしれません。このくらいの「混雑」です、ということはお判りいただけるかと思います。平日の夜7時ごろ、JR東海ツアーズのお客様だけの特別拝観だからこそ、の空き具合です。
境内の紅葉はこのような感じでグラデーションです。洛南に位置する平等院の見頃はあと4-5日後のようでした。
宝物館を出たところ、ピロティのように張り出した縁側の向こうにお庭が広がります。まるで額縁の絵のように映えます。宝物館を後にして、再び池をめぐり、平等院を後にしました。午後8時に近い時間で、私はこの日最後の参拝客となりました。
帰りに何か買い物を、と思っても参道のお店はすべて営業終了しています。JR宇治駅に直行しました。
⑭ 2022年11月22日(火)12:31~15:00
京都市北区紫野 大徳寺境内一円~今宮神社
この日は大徳寺境内で大きぼな茶会が催され、塔頭寺院が拝観停止という箇所もありました。大好きな塔頭のひとつ、高桐院はまだ改装中のため閉門しており、大徳寺を通り抜けて今宮神社に向かいました。
築地塀に沿って枝を伸ばしたい紅葉がこの上なく鮮やかできれいな朱色でした。
こんなに素敵な参道なのに誰もいません。
ところが、今宮神社の参道までくるとこの人出です。
ご存じの方も多いと思いますが、参道の両際にはあぶり餅が名物の茶屋が軒を並べているからです。
平日の12:35です。お昼時ではありますが、あぶり餅のために並ぶことにしました。いつも行かないほうのお店に入ります。一和さんではなく、かざりやさんへ。
12:35に並びました。列が進むにつれ、右の横であぶり餅を焼いている様子が間近に見え、生唾ごっくんです。
12:53入店できました。
今宮神社の東門前の紅葉は色づき始め。でも、昼食がまだの私は「花より団子」ならぬ「もみじよりあぶり餅」です。
13:21ようやく焼きあがったあぶり餅が供されました。注文して30分近く、待ちました。席についても焼きあがるまでに待ちます。時間に余裕がないお客様は注文したのに帰ってしまう場面も見受けられました。また違うお客様は新幹線の時間が迫っているらしく、「どうする?待つ?」という会話をしていました。洛北のはずれにある今宮神社です。京都駅までの交通手段や所要時間を見誤ると、おいしいものをいただいた後に悲しい思いをしてしまうのでご注意を。
時間の余裕がなければあぶり餅はあきらめて次の行動を起こした方が良さそうです。
それにしても久しぶりのあぶり餅。何度食べても飽きがこない定番のおやつ。
14:40に今宮神社を参拝。
参道には銀杏並木が続き、築地塀の奥の青竹の緑とのコントラストが絵になります。
少し日当たりの悪い紅葉は黒ずんでいました。
門の中の紅葉があまりに素敵だったので、覗き込んで写真を撮りました。踏み入れてはいませんよ。
大徳寺境内は、お茶会が終わった時間で、招待客が続々と塔頭寺院から帰っていく風景が見られました。大徳寺境内を通り抜けると、お気に入りの料亭「和久傳」があります。
入りにくい店構えです。中の様子は垣間見えません。知らないとドアを開ける勇気が出ないお店です。1階には「おもたせ」のちりめんや調味料、お弁当などを販売する1坪ほどの売り場です。その2階には「いつつ」という御蕎麦がおいしいカウンター割烹があります。
15:00。遅めの昼食です。予約をしないで行きましたので、一か八かでした。何せ席数が15席ほどの小さなお店なのです。ランチタイムの最後の方なので、1人分の席が空くのに10分ほど待ちましたが入れました。おいしい御蕎麦と日本料理を堪能。(もみじのブログなので料理は割愛)
⑮ 2022年12月2日(金)18:20
京都市左京区 金戒光明寺(黒谷さん)
夜間拝観で最寄り駅やバス停から遠い寺院は人が少ないはず。ということで向かいました。とはいっても交通手段は借り切りジャンボタクシーです。今回はMKトラベルさんが主催するツアーを予約しました。乗合でジャンボタクシーで廻る金戒光明寺と平安神宮の夜間拝観コースです。
2023年もいろんなプランがあるはずです。交通手段が不便な場所をめぐる気の利いたツアーが多いので、一見の価値ありです。2022年の全国旅行割のクーポンもいただけてお土産代が浮きました!
2022年の紅葉は11月中にほぼ見納め、ということは把握していました。12月2日に出向いてもほぼ、散紅葉であろうと。その認識はおおよそ合っていました。
若干見られる枝もありましたが、特別拝観できる大方丈の庭園はほぼ散紅葉。ライトアップされたはだかの枝が寒そうに感じました。それでもお参りしたかったのは、ここが京都守護職を請け負った会津藩の本拠地だったからです。会津生まれの私にとっては聖地巡礼なのです。
昼間なら会津藩士が眠る墓地を参拝できるのですが、夜間拝観では行けませんでした。その代わり、藩主・松平容保公が座していたであろう書院に手を合わせてきました。
京都守護職として、この黒谷さんから市中を見下ろし、市民の安全を守ってくれていたんだろうなあ。山門の向こう、右端には京都タワーが見えます。この場所は本当に見晴らしの良い高台にあり、日がな一日たたずんでいたいほど好きです。この夜、サッカー日本代表の試合があったので、京都タワーが侍ブルーにライトアップされていました。
最集合時間が18:40なので、ジャンボタクシーが待つ駐車場へ戻ります。
⑯ 2022年12月2日(月)18:52
MKさんのジャンボタクシーで移動するので、黒谷さんを「下山」して平安神宮まではそれほど時間を要しませんでした。応天門の前の通りで下車します。
2021年の年末の夜間拝観ではとてつもない行列の長さで、入るまでに1時間近くうねうねと並んだので覚悟をしていきました。ところが、すんなり入ることが出来ました。行列は皆無でした。
今年もやります、夜間拝観。
紅葉の見ごろが終ることから始まるイベントなので、夜観光の1つにいかがでしょうか。紅葉が残っている、というよりは常緑樹が赤くライトアップされているので紅葉の雰囲気は楽しめました。
年末に比べると12月初旬は混雑回避できそうです。2022年の実情は空いていて、このマジカルファンタジーな空間をしっぽりと味わうことが出来ましたが。
2022年のポスターです。
ジャンボタクシーのお迎えの時間までのんびり応天門を見上げて待ちました。
⑰ 2022年12月9日(金)14:18
京都市伏見区 御香宮神社 京都の中でも洛南で紅葉が遅いエリアです。御香宮神社の境内に紅葉は多くはありませんでしたが、まだ色づいている紅葉が残っていました。
⑱ 2022年12月9日 15:07~15:13
京都市伏見区東柳町 長建寺(島の弁天さん)~伏見の酒蔵
冬至も近づくこの時期の入日は早いです。15時過ぎですでに日が傾いて沈みそうな陽射しが境内を照らします。
紅葉の数は多くはありませんがまだ見ごろ過ぎという木もありました。境内には散紅葉が敷き詰められ、踏みしめると乾いた「しゃく」っという音がしました。
2022年12月9日の紅葉はほぼ散紅葉。中国風の独特な形をした竜宮門の朱色と参道の奥にある名残の紅葉が秋の終焉を物語るようです。
月桂冠大倉記念館の裏手の水路です。十石船の運航もこの季節は終了し、訪れる人が少ない時期。すれ違うのは犬の散歩や散策をする近所の方々でした。1本の紅葉が寂しげにたたずみ、水面に影を落としていました。
⑲ 2022年12月12日(月)11:41
京都市左京区 下賀茂神社
市内でも遅い紅葉で知られる下賀茂神社や糺の森を歩きました。予想通り、まだまだ見ごろの紅葉を拝むことが出来ました。朱色の鳥居との色合いがマッチしていて絵になります。
⑳ 2022年12月12日(月)13:00~14:00
京都市上京区 京都迎賓館・京都御苑
京都迎賓館は予約ができ、人数を限定してガイド付きで見学します。統制されたガイドツアーなので混雑や混乱がありません。チェックインから荷物を預け、注意事項を聞いて、イヤホンガイドを聞きながらじっくり見学をすることが出来ます。庭園の紅葉はまだ残っていました。紅葉を見に行く、という趣旨では物足りないですが、秋の終わりの風情を静かに愛でるには良いところです。
1時間のガイドツアーの中ではお庭も、建築の内装や調度品も詳しい案内があり、その価値観を実感することが出来ます。
秋の京都の中でも一番のおすすめの場所が京都御苑、京都迎賓館です。
14:11、京都御苑には散紅葉のじゅうたんと、まだまだ見ごろのモミジが混在していました。
40日間におよぶ、私の紅葉追っかけはこれにて終了。
まとめ
2022年度はまだ訪日外国人観光客は少なかったです。そして日本人の私たちでさえ、用事が無ければ不要不急の遠出や旅行は控えるべき時期でした。普段よりも静かな京都を堪能できる、またとない機会でした。
ことし、2023年は4年以上足止めされた京都LOVEの観光客が恐ろしいほど入洛することでしょう。京都市では混雑回避のための様々な方策を打ち出してはいます。コロナ禍で浸透したオンラインで時間指定ありの入場・拝観チケットの販売は便利になった観光手段の一つです。
私が今年の京都を歩くときに気を配ることを書きます。
・予約ができるところを選ぶ
・移動にバスやタクシーは使わない
・週末よりはもちろん平日
・人気の観光寺院は行かない
・早朝拝観を活用する
・食事休憩場所も予約できるところ
・昼時は14時以降で摂れる場所を選ぶ
今年の京都、混雑を避けて楽しめる紅葉、皆様の経験談を聞かせてください。