開湯から1200年の歴史を誇る静岡県・伊豆市にある修善寺温泉。美しい桂川のせせらぎと青もみじと竹林の輝きといった自然とともに、北条家や源氏ゆかりのスポット、さらに地元のグルメまで見どころ満載の旅をご紹介します。
9:00 東京駅から特急踊り子で修善寺へ
旅のスタートはJR東京駅から!
特急「踊り子」号に乗って約2時間10分、目的の修善寺駅に到着します。
修善寺駅に到着したところで修善寺温泉へ移動しましょう。レンタカーを借りて移動するのがおすすめですが、車の運転免許を持っていない方は路線バスで行くことができます。
1時間に1~2本と本数は少なめですが、約10分で到着します。
11:30 修善寺温泉バス停に到着、修善寺を代表するパワースポットへ
ここから修善寺温泉の旅がスタート!
最初に訪れたスポットは温泉街の通り沿いにある「日枝神社」。元々は修禅寺の山王社で弘法大師(空海)が建立されたと伝えられています。
拝殿を参拝した後は社務所へ。地元の藁を使ったオリジナルのお守りをいただくことができます。なお、社務所が開くのは月木以外の週4日。さらに数量限定のため、空いていたらぜひ立ち寄りましょう。
ちなみに私が参拝した時、社務所は空いてませんでした・・・。
さらに境内には高さ約25メートルの「一位樫」や樹齢800年以上の「夫婦杉」があります。歴史ある神社で樹木からご利益をいただいてみてはいかがでしょうか。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺
※社務所の開設時間は不定期
※境内自由
日枝神社とあわせて参拝したいのが、温泉街にある「修禅寺」。
奈良時代末期、弘法大師がここで修業を行った後、開創したと言われています。
2022年に放送されたNHKの大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』をご覧になった方もいらっしゃいますが、源頼朝の従母弟・範頼と鎌倉幕府二代将軍・頼家が幽閉された舞台になりました。
境内には温泉水が流れる手水舎があるほか、宝物殿もあり、修禅寺の歴史に関わる貴重な史料が展示されています。源氏そして北条義時や北条政子ゆかりのお寺に参拝して歴史を学んでみてください。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺964
料金:無料(宝物館は300円)
時間:8:30~16:30(10~3月は~16:00)
休日:無休
13:00 温泉街にあるお店でランチ
そばや懐石料理など、温泉街を中心に多彩なお店があるなか、今回訪れたお店は手打ちと割そばのお店「胡々」です。
提供するお蕎麦は「ざるそば」(税込1,000円~)のみ!
石臼で挽いた自家製粉のそば粉を使っており、そばの香りを楽しめる「粗挽き」か、
のどごしを楽しめる「細挽き」から選ぶことができます。
そばとあわせておすすめの一品が「生桜エビのかき揚げ」(税込650円)。
サクッとした食感とともに桜エビの風味を堪能できます。塩につけて味わってみましょう!
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺3458-6
時間:11:00~15:00(毎日)、17:00~20:30(金・土のみ)
※夜(日〜木)のお食事は要予約
休日:火曜日
また修禅寺からは反対方向にありますが、伊豆地方の食材を使った料理が味わえる「あまご茶屋」もおすすめ。天城産のわさびや地元でとれた「あまご」の料理を中心に提供しています。
人気の一品が「紅姫あまごの漬け丼」(税込1,650円)。
「あまご」とはヤマメに似た川魚の一種でクセがなく、甘味があるのが特徴です。
脂がのった身とともにあまごの卵である黄色いイクラのプチプチとした食感を楽しめます。
本わさびをのせて味わってみては。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺765-1
時間:11:00~20:30
休日:水曜日(行楽シーズンは営業)
14:30 竹林に囲まれた小径と“恋の橋めぐり”を楽しむ
温泉街から少し歩いたところにある「竹林の小径」。約300メートルの竹林の散策路で竹の葉が擦れる音と心地よい風、竹の葉を通して差し込む日の光を感じながら散策できます。
小径の中間地点には竹製のベンチがあります。ここに座って見上げると美しい竹林の風景を眺められます。
竹林の小径の散策と合わせて楽しみたいのが“恋の橋めぐり”です。
源頼家とここで暮らしていた地元に住む女性・桂との恋を描いた歌舞伎の演目『修禅寺物語』の舞台として描かれており、桂川に架かる5つの朱色の橋に願いをかけながら渡ると、恋が叶うといわれています。
また川のほとりには修善寺温泉が誕生したといわれている伝説の湯「独鈷の湯」があります。弘法大師がこの地に訪れた際、持っていた仏具で桂川の岩を打ったら、温泉が湧き出たといわれており、現在は入浴はできず、見学することができます。
散策を楽しんだところでお店に立ち寄ってひと休みしましょう。修禅寺から少し歩いたところにある「修善寺プリン工房」では、“竹林の小径”をイメージしたカップを使った「修善寺プリン」(1個・税込400円)や「静岡抹茶プリン」(1個・税込420円)などを味わえます。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺955-1-2 平和堂ビル1階
電話番号:0558-72-2260
時間:10時~16時(夏季は~17時)
休日:無休
16:00 湯回廊 菊屋 チェックイン
今回、私が宿泊するお部屋は別邸にある「水の語り部」。2021年に新設されたお宿で朱色の吊り橋「暁橋」を渡ってお部屋に向かいます。なお、この吊り橋は別邸に宿泊する方のみ渡ることができ、新館や本館に宿泊される方は利用できないのでご注意を。
「水の語り部」では、ツインとセミダブル、ダブルの3タイプのお部屋を用意。畳敷きのお部屋でゆったりと寛げます。
また「水の語り部」では、全客室に天然温泉の半露天風呂を完備しています。一定の湯量になると自動的に止まるように設定されているので、安心して温泉を入れることができます。心地よい風と川のせせらぎを入りながら、旅の疲れを癒しましょう。
温泉に入った後は夕食の時間まで館内を散策しましょう。創業から400年以上の歴史を誇るお宿では、文豪・夏目漱石や明治政府で活躍した副島種臣など、偉人が宿泊しており、館内には貴重な史料が展示されています。
夕食は本館にある食事処「修善寺囃子」で。前菜ではうすい豆腐やつぶ貝の黄金和えなど、季節の食材を使った料理を味わえます。
主菜では赤魚の煮付けやオリジナルのビーフシチューなど、和と洋の料理を提供。お酒との相性もバツグンです!
締めくくりは、修善寺の特産品のひとつ「黒米」を使った枝豆の炊き込みご飯。赤飯のように見えますが、モチモチとした食感を味わえます。白米と比べてビタミンB1やB2が豊富に含まれており、健康食材として人気を集めています。
翌6:00 朝風呂と朝食を堪能
休憩スペースで休んだ後は朝食を食べましょう。夕食と同じ食事処「修善寺囃子」で提供しており、アジの干物が付いた和食またはキッシュなどがついた洋食から選べます。
朝食を食べてひと休みしたところでチェックアウト。修善寺の旅はここで締めくくりです。
いかがでしょうか。今回久しぶりに伊豆・修善寺温泉を訪れましたが、観光はもちろん、グルメも充実しており、十分に癒しの時間を楽しめました。これから夏休みの時期を迎えますが、カップルやファミリーで気軽に温泉旅行を楽しみたい方にはおすすめのスポットです。ぜひ出かけてみてくださいね♪